お弁当特集

毎日楽しく作ろう!『お弁当づくりのコツ』

食物アレルギー管理栄養士 瀧真奈美先生


4月から始まる学校や保育園・幼稚園の代替のお弁当、どうしようかな…と考えている方も多いのではないでしょうか?
学校や幼稚園などそれぞれの施設で食物アレルギーの対応が異なる中、お弁当づくりに悩むことも多いかと思います。
今回は、食物アレルギー管理栄養士の瀧真奈美先生に「お弁当づくりのコツ」をお聞きしました。
毎日のお弁当だから、楽しく作って、お子様にも喜んでもらいたいですよね。
ぜひ読んでみてください。

お話を聞いた人


食物アレルギー管理栄養士

瀧 真奈美先生

食物アレルギー管理栄養士・栄養士は、根拠に基づいた診断と治療の最前線を学びながら現場を振り返り、リスクマネージメントを考慮した安全な食の提供と栄養教育をめざす専門家であり、指定する研修プログラムを修了し、かつ認定試験に合格した者を公益社団法人日本栄養士会が認定するものです。
※日本栄養士会HPより引用

ポイント1 『楽しく作る! 』

お弁当のフタを開ける瞬間って、ワクワクしますよね♪ もちろん味も大事ですが、見た目も期待度Maxのお弁当。
視覚の効果は想像以上です。彩りアップの2つのポイントをご紹介します。

1.色を上手に使う:視覚マジック!
2.盛りつけの工夫:ルーティーンを作る

1.色を上手に使う:視覚マジック!
同系色や、淡い色ばかりだと、どうしても単調に見えがち。 いろんな色があることで、一気に華やかさが生まれます。
料理には【五味五色】ということ言葉があります。
五味(ごみ)とは、甘味・酸味・塩味・苦味・旨味の5つの味のこと。 五色(ごしょく)とは、赤・黄・青・白・黒の5つの彩りこと。
彩りよくするには、この五色を上手に取り入れるとよいですよ。 それぞれの、主な食材のご紹介です。

     

●赤:ニンジン、プチトマト、パプリカ、サツマイモの皮、リンゴ、イチゴ、チェリー、まぐろ、肉類、金時豆、カニかま、ケチャップなど
●黄:大豆製品、かぼちゃ、パプリカ、カレー粉など
●緑:葉物野菜、豆類、ブロッコリー、キャベツ、ピーマンなど
●白:ごはん、パン、麺、いも、れんこん、白ごまなど
●黒:ごぼう、きのこ類、海藻類、黒ごま、黒豆、こんにゃくなど

五色揃えた例として、たとえば、こんなお弁当になります。
おかずの種類は多くありませんが、彩り良いですよね♪

     

単にたくさんの色を揃えるのではなく、実は色にも法則があります。特に補色効果は絶大で一気に引き立ちます。
補色とは、図のように向かい合わせになる色のことです。
たとえば、緑の食材が入るとお弁当が引き立つのは、主になるおかずの色に、赤や茶系が多いからなのです。

また、食材だけに頼らなくても…。弁当箱や、おかずカップの色や形、素材を変えてみる そんな工夫でも、ぐっと彩りがよくなります。ぜひデザインを楽しみながら盛り付けてみてください♪         

     

2.盛りつけの工夫:ルーティーンを作る
でも、毎日のことだから、手間暇かけられないし、食材も決まってしまいますよね。
そんな時には、盛り付けを変えることでも、違うお弁当となります。
そして、考えるのも大変かと思うので、ルーティーンにしてしまうこともおすすめです。
例えば…

★月曜:主食をパンにする
★火曜:おにぎり
★水曜:ごはんにおかずをのっけ弁当
★木曜:普通に盛り付け
★金曜:ごはんにおかずを巻き込む
 

主食の変更は、味変につながります。  また、ルーティーンにすることで、悩んだり考えたりする時間が減り、楽になります。
1週間の例として、以下をご紹介します。  (食材の代替品のヒントはお弁当のページにあります。)

★月曜:主食をパンにする
きんぴらベーコンサンドのランチボックス>

★火曜:おにぎり
春の野菜弁当>

★水曜:ごはんにおかずをのっけ弁当
サケののり弁>

★木曜:普通に盛り付け
毎日のお弁当>

★金曜:ごはんにおかずを巻き込む
春のランチボックス(マカロン風おにぎり)>

     

ポイント2 
『おいしく食べる!』 

「お弁当は毎日のことなのでいつも同じメニューになってしまう」とお悩みの方も多いと思います。
そんな時は、調理方法や食材のアレンジで見た目も美味しさも変わります!
ここでは魚の調理を例に、お子様においしく食べてもらう工夫をお伝えします。

魚は、下処理が大変ですので、切り身や、刺身を利用すればそれだけ時短にもつながります。
調理方法別に下記のようなアレンジ方法があります。

【焼く】
・素焼き
・ホイル焼き・・・ホイルなどで包んで焼くとしっとりします
・フライパンで油で焼く:サラダ油・ごま油・オリーブ油・バター・マヨネーズ(ノンエッグ)等油を変えるだけで、風味が変わってきます。

【衣をつけて焼く・揚げ焼き】
・小麦粉、片栗粉、米粉、上新粉、パン粉、コーンフレーク  ・・・お粉の種類を変えると、食感が変わります。
・衣に混ぜ込む:ごま・青のり・刻み海苔・さくらえび(粗刻み)・じゃこ(粗刻み)・パルメザンチーズ・カレー粉 等、少し混ぜ込むだけで、色も鮮やかになり、栄養もアップ、風味も変わります。

【煮る】
・味つけ:甘辛・味噌・コンソメ・がらスープ・トマトソース・ホワイトソース 等
→調味料を変えて煮るだけで、全く違う食べ物になります。

【お魚フレーク】
ご飯にまぜるだけでなく、他の食材に混ぜ込むと立派な1品になりますね。
粉と野菜と混ぜてお好み焼き風、ジャガイモと野菜と混ぜておやき風、野菜とまぜてサラダ風、カレーに混ぜてシーフードカレー、などなど、アレンジを楽しんで美味しく召し上がってください。

そして、お弁当の各食材の割合ですが、目安となる面積の比率があります。
ごはん:副菜(野菜・海藻・豆・キノコなど):主菜(肉・魚・卵・大豆製品)=3:2:1
この比率を目安に詰めていただくと栄養バランスが整います。
料理ではありませんが、市販されているカラフルなお弁当用カップも上手に活用されるといいですね。

ポイント3『安全に食べる!』 

時間が経過してから食べるお弁当なので、気をつけていただきたい食中毒予防。そのポイントをご紹介します。
ここでは主に、食中毒予防の観点から、安全でおいしいお弁当作りについてお伝えします。
食中毒予防の3大原則は【つけない】【ふやさない】【やっつける】です。

【つけない】
まずは、食中毒の原因となる菌やウイルスをつけないことが一番。調理の前には、しっかりと手洗いをしましょう。
そして水気を拭き取るのは清潔なタオル、もしくは使い捨てペーパーで。

また、手指に傷などがある場合は要注意です。傷口には菌が潜んでいるいるため、簡易な絆創膏などではしっかりと防ぐことができないので特に気をつけましょう。調理用手袋などで覆うと安全ですね。
手が綺麗になったら、次は、調理環境の衛生です。布ふきんで水拭きだけよりも、アルコール除菌スプレーなどの併用が効果的です。また、お弁当箱や、盛り付けに使う箸なども、きれいに洗えていて、しっかりと乾燥しているかも大事なポイントです。  

それから、レシピサイトを参考に作られる場合もあると思いますが、スマホの画面は想像以上に汚れています。画面を触りながら調理をする場合も気をつけましょう。
そして、調理の段階で気をつけたいのが「二次汚染」です。

例えば、菌がついていた生モノを切った包丁とまな板を、きれいに洗わないまま野菜を置いたり、切ってしまって、菌がついてしまうということです。
なので、 野菜・調理済み食品 ⇒ 肉や魚、の順番で調理をすることをおすすめします。 

調理器具や食器をよく洗いましょう

【ふやさない】
菌が増えるために必要な物は、水分と、なまあたたかい温度です。

水分対策としては・・・ 
・おかずの汁気を切る
・仕切りや盛りカップを上手に使って汁漏れをふせぐ
・生野菜やくだものはしっかりと洗ってきれいに水分をとる。(別容器だとより安心ですね)
・ごはんやおかずを、しっかりとさましてから盛り付ける。

温度対策としては・・・
・保管はなるべく冷蔵庫や涼しいところで。
・持ち歩く場合は、保冷剤や保冷バッグの利用を。


【やっつける】
食中毒の原因となる菌の多くは、熱に弱いという特性があるため、肉や魚、卵などは、中心部分まで完全に火を通して加熱調理をしましょう。加熱処理されている加工食品も、できるだけ加熱することでよりリスクが下がります。

そして、最後におまけです。
お弁当は、しっかりと詰めて、あまり動かないようにしておくことも大事です。見た目が悪くなること以上に、ぶつかることで、それぞれの食材が破損して液漏れしてしまうと、菌の増殖リスクが高くなります。

お弁当作りの押さえておきたい3つのポイント、いかがでしたか。毎日のお弁当作りのヒントになれば幸いです。
今回の内容で、わかりにくい、もう少し知りたい、などございましたら、お気軽に「オンライン栄養相談」をご利用ください。日々のお食事の、小さな悩みや、疑問点、不安など、楽しくお話しをしながら、ご一緒に考えていきたいと思っています。
皆さまにお会いできますこと、楽しみにしています。

瀧先生によるオンライン栄養相談

オンライン栄養相談は、スマートフォンまたはPC上で、食物アレルギー管理栄養士に相談ができるサービスです。
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